社会の空白

……ようこそ。

役立たずでごめんなさい………

職場でミスを犯すということは、
私にとって死刑宣告と同等の意味を持つ。

「失敗は成功のもと」
などという言葉があるが、そう思えたらどれだけ楽なんだろうか…。

買うものを間違え、学生の方に苦笑いで指導を受け、やらなければならないことに気付けなかった……。

私はあの時、目の前で煮えたぎる熱湯を浴びて死にたいという衝動に駆られたが、そんなことが叶うわけもなく、ひたすら自分を呪った。

施設にいる時に、知能テストを受けさせられた。
その時に試験官の方に言われたのが

「こんなことは言いたくないんですが、あなたの知能は平均以下です」

という一言だった。
ショックというより、深く納得したものだ。
やはり私は、低脳な人間なのだと。

どの職場に行っても3ヶ月でクビになり、クビにならないにしても役立たずだと罵られる……
そう、全部自分が悪いのだ。

物覚えが悪く、動作が鈍く、自分の考えで行動することができない低脳。

今だって、クビにならないのが不思議なくらいで、いつその時が来るのか、仕事に行くたびに考えては恐怖する毎日だ。

何も考えず、仕事で成果を出すことだけ考えられたならどれだけいいことだろうか……。
私には到底難しいことだろう。

あの時、恐怖のあまり必死に涙をこらえた。
そんな権利などないのだから。
私はいつまでたっても、新人以下の人間だ。
泣くなど、烏滸がましい。

私にできることは、この場を借りて謝罪をすることぐらいだ。

役立たずでごめんなさい。

何処に行っても役に立たないと捨てられる私を、長期にわたり使ってくれ、突然半年も顔を出さずにいたのに待ってくれていた職場に(及び職場の方々に)私は恩を仇で返しているようにしか思えない………。

本当に、申し訳ない。

できることならば、私は、褒められもせず、苦にもされない人間になりたかった。
でも、それは無理な話で、私は誰かの不利益にしかならない。

指導を受けるたびに、私は恐怖ですくみあがってしまう。
嗚呼、またやってしまったのか、と。

本当に申し訳ない。
先輩方の笑顔にさえ、恐怖を覚えてしまう私をどうかお許しください。
そして、迷惑ばかりかけてしまってごめんなさい………。